1.排便
1)排便回数 1日3回以上は下痢 1週間に3回以下は便秘と考えています。
2)便の量 1日量の平均は100~200g
3)便の形状:黄褐色のバナナ状または、半練り状に匂いが少なく、するりと出るソフトなもの。
①兎糞状の便・・・ウサギの糞のようなコロコロとした便が出る場合は、大腸のどこかがけいれんしているけいれん性便秘が考えられます。
➁太くて硬い便・・・排便時に便柱が太くて硬い場合は、大腸の運動が低下している弛緩性便秘が考えられます。
➂硬くて断片的な便・・・たびたび便意をこらえることによって、直腸の感受性が低下して起こる。4)便の色
①黄褐色・・・正常な便の色調です。これは胆汁色素ビリルビンによると考えられています。
➁黄色・・・高度の下痢便などで見られます。牛乳の多飲、下剤の服用や脂肪便の時でも見られる。
➂茶~茶褐色・・・食べ過ぎ、飲み過ぎの場合。
④濃褐色・・・便秘の時や肉類の多い食事で見られます。また、ココアやチョコレートを大量に食べる人でもこの様な色になります。
⑤黒色・・・上部消化管の出血でコールタールに似ているため、タール便ともいいます。また、イカ墨料理を食べた後、鉄剤の服用後、また薬用炭も黒色便になります。
⑥緑色・・・母乳の赤ちゃんの便や緑色を呈したクロロフィルを多く含む緑色野菜を大量に食べる人の便は緑色調になります。
➆赤色・・・赤色は出血した場所が肛門に近いほど新鮮血を呈します。痔核や肛門裂傷は血液そのものの新鮮血で、S状結腸や直腸からの出血は、新鮮血と凝血した血液の固まりを含んでいます。上行結腸や横行結腸からの出血は濃紫色、血液が便の周囲に付着しているのは直腸や肛門からの出血と考えられます。直ちに、専門医療機関への受診が必要です。
⑧灰白色・・・胆汁の流出が悪いか、胃透視時のバリウムによるものです。腸結核や膵疾患でもこの様な色になることがあります。
5)便のにおい
便秘などで腸内の滞留時間が長くなる時、肉などの動物性たんぱく質を大量に摂取している時、強いストレスを感じている時や過敏性腸症候群などの消化器系の病気の時はにおいが強くなります。また、膵疾患や直腸がんでは特に強いにおいを発します。
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