ステロイド剤とプロトピック軟膏が身体におこす作用

1.ステロイド剤を使うとランゲルハンス細胞が減少する。

ランゲルハンス細胞とは樹状細胞と言われ、外部から侵入してくるウィルスや細菌、化学物質などをキャッチして脳へ情報を伝達します。

皮膚を正常に保つべく免疫システムと関係しています。

アトピー性皮膚炎の治療の過程でステロイドを使用するとこのランゲルハンス細胞が減少することが分かってきています。

研究ではベトネベードという強いステロイド剤を健康な成人男性に1日2回塗り、5日間続けました。その結果ランゲルハンス細胞が半分に死滅してしまったのです。
アトピー性皮膚炎の患者さんに同じようにベトネベードを塗ると3週間目で73%が死滅してしまいました。

実はランゲルハンス細胞だけでなく、免疫機能に大切なT細胞も減らしてしまい、皮膚の免疫力がますます下がってしまうのです。

抗炎症作用や刺激を受けやすくなり感染症を起こすきっかけになります。

2.ランゲルハンス細胞の再生は?

マウスの実験では50日必要だったという結果出ています。
回復には10倍の時間がかかります。減らすのは簡単ですが、戻るのは容易ではありません。

使用頻度や使用する範囲もよくよく考えていかなければ、ならないと思います。

3.プロトピック軟膏は?

プロトピック軟膏はランゲルハンス細胞の減少を認められないという結果になっております。
しかし、プロトピック軟膏自体が炎症を抑えるという理由で使用されていますが、免疫抑制剤であるために、使用するに辺り気を付けなければならない薬でもあります。
プロトピック軟膏の常用で11歳の男の子が悪性リンパ腫になったという論文もあり、使用についての注意喚起と警鐘を鳴らしていると考えます。

 

みわ鍼灸療法院