アトピーと汗 ①

1.アトピーの人は汗をかくのを悪いと思っている?

汗はアトピーを悪化させると思っている方が多いそうです。
汗をかくことで、炎症部位に影響してかゆみが生じたり、汗がアトピー部位にしみ込んだり
保湿剤が取れてしまったり、気持ち良い物ではありません。

このようにアトピーの方が汗をかくことを悪者にされていたのですが、
最近は汗をかかないことがアトピーの悪化に繋がることが分かってきました。

2.皮膚のバリア機能の低下をもたらす。

皮膚の角質層の水分が不足すると皮膚のバリア機能が低下します。

アトピーの方は
◯皮膚からの水分蒸発量が多いこと
◯角質層の水分含有量が少ないこと
◯潤いを与える角質のセラミド成分が少ないこと
などが証明されています。

汗は角質層の水分量を維持するために大きな役割を持っています。

よってアトピー肌のバリア機能の低下の原因の一つは、発汗障害が考えられていました。
しかし、今迄はその裏付けが実験が困難であることを理由に証明されていませんでした。

3.発汗量の測定実験から・・・

42℃のお風呂に入浴時間と入り方を同じにして局所発汗量連続記録装置を用いて
額、頚部、肘関節の内側、背部の発汗量を計測しました。

◯アトピー肌の人は健常者よりも発汗量が少ない
◯アトピー肌よりもそうでない肌よりも発汗量は少ない
という結果が出ました。

4.汗をかかないために皮膚温が上がり、アトピーの悪化を招く

発汗は体温を下げる効果があります。

汗がかきにくいアトピーの方は体内の温度が上がっても、皮膚温が上昇します。
そうなると炎症を悪化させてアトピーの症状が悪化します。

5.汗がかけない状態が続くと

汗がかけない状態が続くと発汗機能が弱まります。
その結果、肌はさらに乾燥しやすくなり、わずかな熱刺激
で皮膚温が上げるようになります。

みわ鍼灸療法院